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青空と鉄アレイ


扉絵:阿部隆太

自分は中学から飛蚊症で、常に黒い点が視界にある。

黒い点や、点に細い線がついているもの、点と点を細い線が結んでおり小さな「鉄アレイ」みたいになっているものもある。

視点を動かすと点も動くのでちゃんと数えたことはないが、15~20個ある。

視点を動かすと、その黒い点も移動するので蚊が飛んでいるように見えるから飛蚊症。

しかしこの黒い点を蚊と間違えたことはほとんどない。黒い点との付き合いが人生の半分以上を占めているので、飛蚊症になる前の視界を思い出せない。

真っ白い紙や真っ白い壁、青空を見ても常に黒点があると思われるかもしれないが、以外と気にならない。

夜電車に乗っていると、窓が鏡のようになって自分が映る時がある。しかし、そのまま視点を近くから遠くにすると、窓の外の景色が見える。

このように青空を見上げる時も、視点を遠くにすると黒点が見えなくなる。

視点を近くにすると青空と小さな鉄アレイが見える。

自分はなんとなくそういうことでいいと思っている。

イラスト:阿部隆太

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